高精度加工を支える設備と、加工現場の工夫

料理をするとき、包丁や鍋の種類によって、作業のしやすさや仕上がりは変わります。
同じ食材でも、用途に合った道具を選び、適切な手順で調理することで、効率よく安定した仕上がりが得られるものです。

機械加工にも、これと似たところがあります。
工作機械にはそれぞれ得意な加工があり、部品の形状や材質、必要な精度によって、適した設備は異なります。

また、新しい機械や高性能な設備を導入すれば、それだけで高精度な部品が完成するわけではありません。
加工する形状や材質、求められる精度に応じて、適切な設備を選び、加工方法や工程を組み合わせることが重要です。

城山精機では、アルミ・鉄を中心とした精密切削加工に対応するため、複合加工機やマシニングセンタなど、複数の加工設備を使用しています。

複数の加工を一台にまとめる「複合加工機」

城山精機が使用している設備のひとつが、MAZAK INTEGREX i-200Sです。

旋削加工だけでなく、ミーリング加工など複数の加工を一台で行える複合加工機で、機械仕様上、最大加工径658mm・最大加工長1011mmの能力を持っています。工具収納本数は72本、ミーリング主軸はB軸240°の割り出し範囲を備えています。

なお、最大加工径・最大加工長は機械の仕様値であり、実際に加工できる寸法は部品の形状や固定方法などによって異なります。

複数の機械を使って加工する場合、工程ごとに部品を取り外し、別の機械へセットし直す必要があります。そのたびに位置決めが必要となり、加工時間だけでなく、精度管理の手間も増えていきます。

複合加工機を活用して工程をまとめることで、こうした持ち替えの回数を減らし、段取り時間の短縮や加工精度の安定につなげることができます。

形状やサイズに合わせて設備を使い分ける

城山精機では、INTEGREXのほかにも、MAZAK NEXUS 410AやMAZAK FJV-20などのマシニングセンタを使用しています。設備によってテーブルサイズや移動量、工具収納本数などは異なるため、どの部品でも同じ設備を使うわけではありません。

実際には、次のような条件を考慮しながら、適した設備を選んでいます。

  • 部品の大きさ
  • 形状
  • 加工する方向
  • 穴や溝の数
  • 必要な精度
  • 生産数量

設計者から見ると同じ「切削加工」でも、設備の選択によって加工工程やコストが変わることがあります。
多機能な設備が常に最適とは限らず、部品の特徴に合わせて使い分けることが大切です。

高精度加工では、工具をどう保持するかも重要

工作機械本体だけでなく、工具をどのように保持するかも加工精度に影響します。
城山精機では、工具の保持方法にも配慮し、CAPTOシャンクを採用しています。

切削加工では、工具と材料の間に大きな力がかかるため、工具の取り付け部分にわずかな振れやズレがあるだけでも、仕上がりに影響することがあります。

工具を安定して保持することは、加工時の剛性や精度を確保するうえで重要な要素のひとつ。
高精度な部品ほど、工作機械そのものだけでなく、工具、保持方法、加工条件まで含めた総合的な管理が必要になります。

設備と加工ノウハウの組み合わせが大切

城山精機では、丸物・角物をはじめ、さまざまな形状の部品加工に取り組んできました。
部品によっては、形状や要求精度に合わせて、加工方法を工夫する必要があります。

たとえば、

  • どの方向から削るか
  • どの工程を先に行うか
  • どのように部品を固定するか
  • どの設備を使うか

といった判断です。
こうした工程の組み立てには、設備の知識だけでなく、加工現場で蓄積された経験が求められます。

また、同じ部品を継続して加工する場合には、加工時間だけでなく、段取りのしやすさや品質の安定性も重要です。

必要に応じて治具を製作したり、複合加工機を活用して工程をまとめたりすることで、繰り返し加工しやすい方法を検討しています。

設備を知ることは、加工可能性を知ること

設計者にとって、加工設備の情報は単なる工場紹介ではありません。

「このサイズは加工できるのか」
「複数方向からの加工に対応できるのか」
「工程をまとめることで、加工時間やコストを抑えられないか」

といった、設計の実現性や加工方法を判断する材料になります。また、購買担当者にとっても、設備の種類や加工方法を知ることは、継続して発注できる加工会社を選ぶ際の参考になるでしょう。

城山精機では、アルミ・鉄を中心とした精密切削加工に対応し、複合加工機やマシニングセンタを活用した工程設計に取り組んでいます。試作にも対応していますが、継続加工や中ロット加工も得意分野のひとつです。

設備の性能だけでなく、その設備をどう活かすか。

部品の形状や数量に応じて適切な加工方法を考え、品質と効率の両立を目指しています。
加工設備や対応可能な形状、継続加工についてご不明な点があれば、図面や3Dデータをもとにご相談ください。